私は、柔道を子供たちに教えています。
主に小学生高学年の生徒を指導しています。
小学生、中学生は、
高校生以上とはルールが違います。
それはけが防止のためであり、
正しい柔道を身に付けるためでもあります。
しかしながら、
現在の指導者は礼儀やルールを周知徹底する前に、
目の前の勝ちにこだわり過ぎた指導が多いのも事実です。
例えば、組み手。
右組の場合、右手で相手の左前襟を持ち、
左手で相手の右そでを持ちます。
持つ位置は得意技によってさまざまですが、
大人の場合は、自分の得意になるために片襟をもったり、
奥襟を持ったり、袖も袖口近くを持ったり、わきの下を持ったりしますが、
あくまで基本の組手ができてからの応用です。
どのスポーツにも言えるのかもしれませんが、
今の指導者は学校の勉強でいうと、
足し算引き算掛け算割り算を教えずに、
分数や少数、微分積分を教えているようなものです。
ひらがなの読めない子供に漢詩を読めと言っても無理なように、
基本的な対捌きや足運びができないのに、
突然山嵐のような技を教えてもできるわけがありません。
バットにボールを当てられない子供にカーブやフォークを打ち返すことはできません。
自分にできることが
子供にできないとイライラしたり、
叱りたくなるのはわかりますが、
自分たちが子供のころもできなかったはずです。
その点をもう一度よく考えて、
なぜ、今でも柔道を続けているのか?
なぜ続けられたのか?
どうやって技を覚えたのかをもう一度思いおこして、
今度はわかりやすく子供たちに教えていくのが、
指導者の責任だと思っています。